EOS5D Mark3 動画撮影の設定
デジタル一眼はEOS 10Dから使っています。その後EOS5Dになり、5Dを10年ほど使っていましたが、ちょっとしたミスで、撮像素子に傷を着けてしまいました。
キャノンに修理に出そうかと思って問い合わせたら、既に修理対象の機種からは外れているとの事。
えーー、30万もしたカメラが、10年で修理できなくなるの?
社外サービスでは修理してくれる所もあるようですが、結構修理費も掛かってしまうようでした。
このまま気にしないで使うか、それとも買い換えようか、と考えている時、思い出しました。
EOS5D MK3を買ったものの、殆ど使っていない知人が居たのです。
もしかしたら譲ってもらえるかもしれない、とダメ元で聞いてみた所、即「売るよ」との返事です。彼が言うには、歳とって体力もなくなり重たいカメラを持つのもしんどくなったのだとか。
店で買うのなら考えなくてもいい値段決めは、その時点での中古の売値と買取値の中間をとり、お互いにプラスになるように決め、殆ど使われていない新品状態のEOS5D MK3が16万円で手に入りました。3年たった今では中古相場もかなり下がってきているようです。しかし、新品同様といった事を考えると良いものを譲って貰いました。この友人には感謝・感謝!
自分がこれまで使ってきたEOS 5Dには動画機能はありませんでしたがMark2からは動画撮影機能が搭載され、映画もこれで作られる程の動画撮影での革命的機種になったと聞きます。
Mark3ではさらに進化しているであろうこの動画撮影、自分ではオートモードで少し撮ったことがあるだけで、細かな設定や撮り方などはこれまで何も知らずにきました。
改めて、EOSの取説を見てみましまが、どうもよく分かりません。
そこで、スペックはどんなものなのかと調べてみました。
その前に、我が家の動画編集環境は
MacBook Pro13” i7 1TBのSSD 16GBメモリー といった構成でそこそこのスペックなのですが、i7がクワッドコアになる前のタイプなので現在のMacBook Proに比べるとやはり非力です。
買った当初は27インチの外部ディスプレイを買って、必要な時だけそれに繋げればいい、と考えていましたが、未だに外部ディスプレイは未購入です。その代わりに、知人からの貰い物である、HPのディスプレイを使っています。でもこのディスプレイは1600x900pxと解像度が低く、それに古いために、カラーマッチングはいい加減なもの。
画像を扱う限り、やはりしっかりした4Kディスプレイの必要性を感じます。
必要というより、単純に欲目で 欲しーーーーい!
動画編集ソフトはApple のFinul Cut Pro Xで、それに合わせてモーショングラフィックソフトは Motion5 そして書き出し、ファイル変換は Compressor と全てがApple純正のソフトで編集を行っています。
EOS 5D Mark3 動画スペック
EOS 5D Mark3で選択可能な動画画像サイズとフレームレート
1280×720 (720P)ではフレームレート60
640×480ではフレームレート30
となっていて、圧縮方式は複数フレーム単位で圧縮するIPB型式か、1フレーム単位で圧縮するALL-I形式の2種類あり、ALL-Iは動画編集向きの圧縮方式といいますが、IPBに比べるとデータサイズは3倍程になってしまうようです。
自分の環境で、この中から選んで設定するなら普段動画編集で使っている1280×720 のALL-I になります。
今回の使用レンズは 「EF24-105mm F4L IS USM」で、三脚無し、手持ちでの動画撮影です。
動画撮影設定
さて、露出は?
これには P(プログラムオート)Tv(シャッタースピード優先)Av(絞り優先)、マニュアル、と幾つかの選択肢があります。
まずはTvで撮ってみます。
今迄は知らなかったのですが先日、シャッタースピードはフレームレートの倍にするのが鉄則との話を聞き、今更ながらに へぇーー!。
知らなかった!
となると、自分の場合ならフレームレートは60という事でシャッタースピードは120に近い1/125秒となります。
isoは出来るだけ低くとの事でしたから100〜400の間位でしょうか?
この設定に応じて絞りが決まってくるのでしょうが、一体どれ程になるのか?
絞りもシャッタースピードもマニュアルにして、isoだけはAUTOで撮影する方法もありますが、どの設定が自分の環境向きなのかは実際に撮影してみるしかなさそうです。
カメラを購入して3年目にして初めての動画撮影の検証となりました。
まず1回目は以下のような設定で撮影してみました。
・720P 60fps ALL-I
・シャッター優先 1/125秒
実際に撮影してみた
テスト撮影なので設定を変え、何回か撮影を繰り返す事になるので、外に出かけてまで撮る事も無いでしょう。
被写体は我が家の庭になりました。
1回目テスト Tv優先720P
撮影データをFinal cut pro Xに読み込んで見てみました。
天気も良かったので、コントラストが強烈で、色の乗り方もかなり濃厚。ポジで撮ったプリント写真を見ているようです。
シャドー部分を少し明るくし、ハイライト部分を少し落としてやったら、少しはコントラストも柔らかくなりました、
しかし、この辺りはカメラの設定で出来るのでは?
2回目テスト Tv優先1080P
2回目は動画サイズを1920×1080(1080P)ALL-I 30fpsに変更してみました。フルハイビジョンTVのサイズになります。これに合わせてシャッタースピードも30×2 の1/60秒 になります。
あまり一度にあちらこちら変えてしまうと訳が分からなくなってしまうので、これ以外の設定は前回と同じです。
Tv優先 1080Pの撮影結果
画面横サイズが1280から1920ですから1.5倍になり、総ピクセル数は2.25倍にまで膨れ上がっています。その為にパソコンのCPUにかかる負荷も結構大きいようで、Final cut pro Xに読み込んでみると、即ファンが回り始めました。
これまでの自分の動画編集は殆どが720PでしたからCPUへの負担は軽かったのだと思われます。しかし1080Pのデータ量は流石に大きく重たいです。
データを軽くした編集用プロキシファイルを作る事などこれまではありませんでしたが、流石に、1080Pを扱うにはプロキシは必要だと感じさせられました。
フレームレートが30に落ちているので、カメラを少し早めにパンしただけで画面が微妙に流れたようになってしまいます。
1080P で撮るときには、カメラのパンは控えて、どうしても必要な場合には超ゆっくりのパンを心掛けた方が良さそうです。
実際に書き出した動画もそうなのかはわかりませんが、ディスプレイを見続けていると目がおかしくなってしまいそうです。
色味については前回と変わりなく濃厚で、やはりコントラストも強めです。
3回目テストM Av Tv 共にマニュアル設定
3回目はマニュアルにして撮ってみました。
画面サイズは再び720Pに戻します。
・fpsは60
・シャッタースピード 1/125秒
・絞り F8
露出のコントロールはiso設定をAUTOにすれば適正露出になるようにカメラがisoを調節してくれる筈です。
結果は? これが最適設定か
これを撮影した日は曇天で、これまでとは条件も変わってしまっているのであまり断定的な事も言えませんが、720Pでこれくらいに撮れれば自分なりに納得 出来ます。
早めのパンでも画像が流れてしまう事もなく、また映像がカクカクするような事もありません。出来上がった動画を公開するにしても1080Pでは見る側もそれなりのネット環境が無いと厳しいでしょうから、1080P が一般的になった今でも、自分にとっては720Pが未だに現実的な一番の動画画面サイズになっています。
この後に、白飛びを防ぐカメラ設定があるようなので、こちらを設定してやれば動画でも効果はあるはずで、次回はこれをセットして撮影してみようと思います。
動画の画質はやはり、ビデオカメラよりは遥かに高画質になりますが、被写体を追いかけてフォーカスしてくれるわけでは無いので、手軽な動画撮影と言う訳にはいかず、苦労はありますが、それだけに色々と設定を変えて撮影してみる楽しみもあります。
暫くはEOS 5D Mark3での動画撮影に嵌りそうです。