四国遍路 後半第一日目

四国車中泊四国遍路 2年目

全旅程図。帰りに高野山へのお礼参りの予定。全行程では1600キロ程ありそうです。

昨年春に徳島から愛媛県松山市までの53札所を廻って、秋には残りの35ヶ所を廻る予定でしたが、その時間が出来ずに昨年の結願は出来ませんでした。
自分の歳を考えると車中泊の一人旅で四国遍路が出来るのもそろそろ潮時になりそうです。何とか今春の88ヶ所結願を目指して準備を進めてきました。
昨年の前半戦はスタートが徳島でしたから、静岡から行くにも決して近くとは言えませんが、それでも今回に比べれば楽でした。
改めて今回のスタートとなる今治市にある54番札所の延命寺までの道程を地図で追ってみると、昨年の帰り(呉から静岡)ほどの距離があります。こちらは昨年より一つだけ歳をとっているので、体力も、また車の運転の注意力も一年分落ちている事は確実です。2年後には後期高齢者の仲間入り、という我が身には今年が最後のチャンスなのかもしれません。

出発!

2025年4月8日、午前3:20、我が家を出発です。愛媛までの長丁場ですから高速道路の深夜割引を使わない手はありません。金額が金額だけにかなりのお得感があります。
京都で事故渋滞に遭い、少し時間のロスがありましたが、長い道中ですから少しくらいの時間ロスはどうでも良いこと。家から京都までの距離が今日のゴールとなる今治までのようやく半分くらいの距離です。
岡山に入ると風が強くなり、運転にも気を使います。海の上を行くしまなみ海道では風はもっと強くなるのでは?と心配になってきました。
二十歳の時に来て以来の尾道なので、チョット寄り道していこうかとも思いましたが、今回はパス。そのまましまなみ海道に入りました。

しまなみ海道

多々羅大橋
天気は良いけど、春霞
スタートは今治市内の54番から。赤いエリアを廻ります。

やはり心配していたように風がかなり強く、最高速も規制がかかり最高速度も抑えられていました。
しまなみ海道は尾道から、向島、因島、生口島、大三島、大島を橋で繋いで愛媛県今治市まで続く瀬戸内海の横断道路です。景色は良いのですが、車を駐められる場所は途中にあるパーキングエリア2ヶ所しかないので、結局、風に恐い思いをしながらただただ走り続けるしかありませんでした。
時間も昼飯時です。パーキングエリアでせっかく尾道まで来たのだからと「尾道ラーメン」を食べてみました。こってりした味付けでしたが、腹も減っているので、これが結構美味しかったです。

行けなかった亀老山展望公園

しまなみ海道の景色を楽しむのなら途中のインターチェンジで降りて、山の上に登るしかないようです。予定では四国に渡る手前にある大島で一度一般道に降りて「亀老山展望公園」に上がってみる予定だったのですが降りるつもりでいたインターチェンジに降り口が出てきませんでした。そんな訳で降りることも無くし国本土まで進んでしまいました。どうなっているのかとあとで調べて見たら下り線からは降りることが出来なかったようで、「亀老山展望公園」に行くのならその手前のインターで降りなければならなかったようです。

亀老山展望台からの景色は見てみたかった。

予定ではもし車中泊できるような所なら夕刻に戻って来てもいい、と思っていましたが、このインターチェンジの構造ではかなり無駄に走る事になってしまいそうで、ここは諦めました。でもこれから先、来る事も無いであろう、「亀老山展望公園」には行ってみたかったです。

四国霊場第54番 近見山 延命寺

今治城の門を移築したという山門。

清水を出てから11時間後の午後2時過ぎ、ようやく今回の最初の目的地である54番 延命寺に到着しました。当初の予定では今治への到着時間によってはこの延命寺の駐車場での車中泊も考えていました。しかし、まだ時間が早かったので今日中に今から何カ所かは廻れそうです。

本堂
サクラが満開でした。

延命寺の山門は旧今治城の門を移築したもので総欅作りの立派な物。本堂はそれ程の石段がなかったものの、そこから大師堂までは結構な石段がありました。
清水から半日近く運転を続けて来た身には今回のお遍路旅最初の修行です。何とか本堂、大師堂それぞれで、ローソクを立て、線香三本を立て、写経の納経、納め札の納札、最後に般若心経の読経をしてルーティーン完了。納経所に行って、今回最初の御朱印を頂きました。

四国霊場第55番 別宮山 金剛院南光坊

境内に風が吹きまくっていた南光坊。
ローソクの火も着けるのに一苦労。

延命寺から次の南光坊までは距離にしたら僅かに3.5Km程度ですから、10分も走れば到着しました。
南光坊は、元々大三島の大山祇神社の別宮として創設されたため、八十八ヵ所の中でここだけ「坊」という名が付いています。
鐘楼を備えた山門には左右裏表にまだ新しい、迫力ある持国天、増長天、広目天、多聞天、四体の四天王像が配置され威厳を感じる山門になっていました。

多聞天
広目天

四国に上陸してからも相変わらず強風が続いていて、車を降りると埃が舞い上がっています。そんな中では、ローソクの火も線香の火も火が点くまでが一苦労です。
やっとローソクと線香を上げて、強風の中で般若心経の読経を済ませました。これで今治の2ヶ所目の札所をクリヤーです。

四国霊場第56番 金輪山勅王院 泰山寺

泰山寺は特徴のない寺で記憶が.....
記憶が......

南光坊から泰山寺までも僅か僅か3Km程度ですから数分で到着しました。県道沿いに広い駐車場がありますが、この駐車場が埋まってしまうほどの参拝客が来ることもあるのでしょうか?
参道を上がっていくと鳥居が?
寺に鳥居はないだろうと思い、地図を再確認してみたら、神社への参道と泰山寺への参道が隣り合っていたのです。それに参道の道幅も神社の参道の方が広いので、間違うのも無理は無かったようです。
境内に上がっても、何とも特徴のない札所で、今の時点で既に記憶が飛んでしまっています。泰山寺に限らず、四国遍路の霊場は特徴の無い寺が多いです。以前にも書きましたが、四国遍路は一ヶ所づつの寺はあまり意味を持たないのかもしれません。空海が歩いた88ヶ所を空海と一緒に歩き通すのが四国遍路の考え方なのでしょう。
となると、自分のような車遍路はどうなるのでしょうか?

四国霊場第57番 府頭山無量寿院 栄福寺

初日もこの辺りまで来ると疲れていたのか、記憶が飛んでいます。

この寺の記憶があまり残っていなかったので、Googleマップで駐車場までのストリートビューを見たら少しだけ記憶が戻って来ました。お寺の記憶は消えているのに、そこに行くまでの道路の記憶が残っているというのも不思議なものです。言い方を変えれば、駐車場までの景色以上に特徴の無い札所ということになってしまいます。

正面に本堂
こちらは大師堂

昨年の反省を踏まえ、写真は意識して沢山取ったつもりでしたが、やはり何の特徴も無い寺は撮るべき対象が無かったようで、今年も寺の写真はそれほどありませんでした。
栄福寺も写真だけはあったので、これだけで良しとしましょう。

清正乃湯

初日の風呂は諦めて翌日午前中に日帰り湯を探して入ろうと思っていましたが、近くに清正乃湯という日帰り湯があるのを見つけました。少し早いけど、清水からの長時間運転で疲れた体も少しは休めるでしょう。
清正乃湯には僅か数分で到着しました。駐車場もまだそれほど混んでいないから風呂も空いていそうです。昨年の風呂では風呂場にシャンプーもボディーソープもなくて困りました。どうやら各自持ち込みで来ているようでした。そんな事から今回は1回ずつに小分けされたシャンプーとボディーソープを持参してきました。念のためにドライヤーも持って来ましたが、これは最後まで使う事はありませんでした。
昨年は初日の疲れと水不足で夜になってから足の痙攣・激痛で酷い目にあいました。今度はあの思いはしたくないと、風呂の中で一生懸命に足のマッサージです。足の痙攣の原因にもなった水不足も今回は朝から出来るだけ沢山の水補給をしてきました。
風呂に浸かっていると、今日はもうこれ以上動きたくはなくなってしまいます。でも時間はまだ早いですから、この風呂で今日を終わらせてしまう訳にもいきません。何と言っても四国遍路は修行なのですから。
風呂を出て次の札所を見てみると次の58番札所は先ほどの栄福寺の山の上の方でそれ程近くはありませんが、4:00頃には到着出来そうです。納経所はpm5:00までですから十分の時間があります。

四国霊場第58番 作礼山千光院 仙遊寺

大きなミツバツツジが満開で綺麗でした。

仙遊寺は下の駐車場に車を置いて山門から歩いて登るのが正式な参道なのですが険しい山道が300mも続くようなので、上にある有料駐車場まで車で行けばかなり楽できます。疲れてもいるので上の駐車場まで車で行く事にしました。山の上にある寺は参道の維持整備などでも経費は掛かるのでしょうから、せっかくある駐車場は使ってあげたほうがお寺としても有り難いのかもしれません。
車道添いには大きなミツバツツジが満開を迎えていて綺麗です。山門から歩いたら見る事は出来ませんから、このミツバツツジを見る事が出来るだけでも有料駐車場を使う価値はあったようです。
4時を少し過ぎて仙遊寺に到着です。
私は車で本堂近くまで行きましたから、登る苦労なしで済みましたが、歩き遍路では標高差250m近くを下から登って来なくてはなりませんから、さぞかし大変な札所なのでしょう。

仁王門から登るとかなり大変なようです。疲れているので上まで車で行きます。
大師堂
本堂

創建は天智天皇の勅願によるものと言いますから、千三百年以上も昔の事になり歴史はかなり古いようです。
昨年(2024年)秋の台風で境内、参道が酷く被災したようでしたが、現在ではその痕跡すら気がつきませんでした。
いつも通りのお勤めを果たし、今日はこれで打ち止めにします。
下に降りて少し南に進めば道の駅「今治湯ノ浦温泉」があるようです。今夜の宿はそこに決めました。

道の駅「今治湯ノ浦温泉」

夜には駐車場が満車状態になりました。

それほどの時間も掛からずに道の駅に到着です。既に営業時間は終わっているので、店は全て閉まっていました。
駐車場はそれ程広くも無く30台分くらいのスペースしかありません。でも車中泊にはこれくらいが丁度いいのです。あまり広いところだとトラックが入ってきて、ずっとエンジンを掛けているので騒々しくて眠るどころではありません。
場所は確認出来たので、夕食を仕入れに出ましたが、なかなかコンビニも見つからず、かなりの距離を走ってやっと夕食を確保しました。とはいってもコンビニの弁当ですから初日の夕食は寂しいものになりました。

四国初日の豪華ディナー

あ、一ヶ所忘れた!

車内で簡単に夕食を済ませて、改めて地図を見たら、大きなミスに気がつきました。
今治市内には5ヶ所しかないと思っていたので、ノンビリと風呂にも入ったりしていましたが、よく見ればもう一ヶ所、道の駅から数分戻ったところに59番国分寺がありました。
風呂に入るのはあとにして、6ヶ所回ってから入浴にすれば明日の予定も組みやすかったのですが仕方ありません。
清水を出てから20時間ちかく起きていますから、体も思っている以上に疲れているはずです。今日はこのまま眠って体を休め、明日からに備えます。
まずは初日を無事にクリヤーです。

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