四国遍路

車中泊四国遍路スタート

四国マップ

以前から行ってみたいと思いながらもこれまで行けなかった四国遍路もこれ以上先に延ばしたら行けずに終わってしまうと思い、4月10日、今年の冬から計画してきた「車中泊一人四国遍路」をスタートしました。

出来ることなら歩いて廻りたいのですが、この歳になると歩き遍路は無理そうです。と言うことで車で回ります。

宿泊費を安く済ます為に、11年前の西国巡礼の時と同じように車中泊しながらの四国遍路です。

高速道路の深夜割引を使うので、朝3:30我が家をスタート。
四国霊場の一番である「霊山寺」まではナビの案内によれば、約480Km、時間にして6時間30分となっています。流石に四国は遠いです。
ルートは清水ー豊田JCTー伊勢湾岸道ー新名神ー名神ー山陽自動車道ー神戸淡路鳴門自動車道ー明石大橋ー淡路島ー大鳴門橋ー鳴門となります。朝早い出発ですから昼前には余裕で徳島県入り出来そうです。

神戸淡路鳴門自動車道

四国最初の目的地は、一番の霊山寺ではなく、まずは鳴門の渦潮を見る観潮船の乗り場です。
この四国遍路の出発日も、どうせ徳島に来るのなら、渦潮が迫力を増す大潮の日で、尚且つ鳴門に到着した頃に潮の動きが最大となる日を選んで決めました。

淡路海峡大橋。ここから淡路島縦断
淡路SAで休憩

鳴門着

家を出て7時間後の10:30、観潮船の発着場に到着しました。ところが駐車場の係の人が「見頃になるには、まだ2時間くらい早いから先に大塚国際美術館に行ってみたら?潮のいい時間になったら、抜けてきても、その後再入館出来るから」と教えてくれました。
美術館はすぐ近くですから言われたように大塚国際美術館に行ってみました。
この大塚国際美術館は徳島の大会社「大塚製薬」の運営する美術館で、展示されている絵画は全て本物ではないのですが、かなりの人気スポットとなっているので、予定には入れていました。
港から5分もかからずに美術館に到着です。

大塚国際美術館

入ったばかりの所にある天井画

入館料はナント、3300円。本物ではないのに入館料はずいぶん高額です
西洋画でその殆どがキリスト教絡みの宗教画です。こればかり見ていると些かウンザリもしてきます。
そんな中でも自分でも知っている超有名な絵が時々出てきたりします。
美術館は地下3階から地上2階まであり、その鑑賞コースの総延長は4Kmにもなり、そのために見学所要時間は2〜3時間程にもなってしまうようです。

最後の晩餐
笛を吹く少年

ここに展示されている絵画(天井画から壁画まで含む)はどのようにして描かれているのかよく分からなかったのですが、帰ってきてからパンフレットを見てみたら、なんと全ての絵画が陶板に写真を焼き付けて表現された絵のようです。要は柄タイルと同じ手法で作られている絵画という事でした。ここに展示されているそのオリジナルは描かれてから経過した長い年月の中で変色してしまっていますが、陶板に焼き付けられた絵ならば変色もないし、キャンバスの傷みも起きようがありません。
この陶板絵画も最初の頃は小さな物しか出来なかったようです。しかし、その後次第に大きなものが歪みや割れもなく出来るようになり、現在では1mx3mという大きな陶板が無傷で出来るようになったと言います。これと同時に自然な色を出せるように色の開発も進め、現在では2万に近い色を出せるようになったと聞きました。
世界に存在する有名絵画はこれからも幾度となく修復が繰り返されていく事でしょう。しかし、ここにある絵画は千年、二千年後も色の変化なしで保存出来ます。もしかしたらその時代には、オリジナルの絵画より貴重なものになってしまうのかもしれません。

鳴門渦潮観潮船

鳴門の渦潮
渦潮
渦潮

観潮船の時間もあるので1時間30分程で絵の鑑賞は終わりにして観潮船の乗船場に行ったところ、丁度出航する船に待ち時間なしで乗船出来ました。
あまり期待はしていなかった鳴門の渦潮だったのですが、実際に間近で見るとかなりの迫力がありました。やはり渦潮は船に乗って近くで見て良かったです。真上を通る大鳴門橋からもガラスになった床から渦潮を見る事が出来るようでした。
そろそろ観光は切り上げて、本来の目的である四国遍路をスタートしなくては

1番 霊山寺

1番 霊山寺

観潮船から下船して、まずは一番霊場の「霊山寺」に向かいます。それ程の時間も掛からずに霊山寺の駐車場に到着。
ここで遍路に最低限必要なお遍路グッズを揃えなくてはなりません。
駐車場の横に店があったので、そこで店の女将さんに聞きながら、最低限のお遍路さんグッズを揃えました。

袖なしの「笈摺」
線香 ローソク
収め札
納経帳

これだけでも数千円の出費になりました。
他にも杖や傘もありますが、歩き遍路と言うわけではないので、これはなくても良さそうです。
これで一番霊場への参詣準備は整いました。白い笈摺を着て、清見寺で貰った輪袈裟を掛け、さっそく隣にある霊山寺に参詣です。

と、その前に少々の説明を。
四国八十八ヶ所というように、徳島の1番霊山寺から香川の88番大窪寺までの88ヶ所をいい、4つの県を、道場に例えてこんな表現をします。

徳島   1〜23 発心の道場
高知 24〜39 修行の道場
愛媛 40〜65 菩提の道場
香川 66〜88 涅槃の道場

今回、一人旅なので写真を撮るための自撮り棒を準備しました。でも、記念すべき最初の一枚はしっかり人にとって貰った方が良さそうです。丁度出てきた若い人にお願いしたら、外人さんです。話をしたらドイツの青年のようです。勿論ドイツ語で、なんて訳なく、しっかり日本語で通じました。これから先も外国の方には随分と会いました。歩き遍路の半分以上は外人さんで、これにはビックリです。
山門を潜り、まずは手水舎で手と口を清め、本堂前でローソク1本と線香3本を上げて、般若心経を唱え、その後、収札に日付、住所、名前、願い事を書いて奉納し完了となります。八十八ヶ所霊場には必ず境内に大師堂があり、こちらでも本堂と同じ事を繰り返して、ようやく納経所で納経帳に御朱印を頂けます。家に般若心経の写経が沢山貯まってしまっていたので、今回これを納経して来たので、家に貯まってしまっていた沢山の写経もかなり片付きました。
自分の記念すべき四国遍路第一番参詣は無事完了。今日、これからどの程度廻る事が出来るのか?
取りあえず、今日の風呂(スーパー銭湯)と車中泊する道の駅は決めてあるので、ギリギリの時間までは廻ってみようと、この後も

2番 極楽寺
3番 金泉寺
4番 大日寺
5番 地蔵寺
6番 安楽寺
7番 十楽寺
8番 熊谷寺

と8番まで廻り、予定していたスーパー銭湯に行ってみたら、ナント水曜日は定休日!
なんて事だ!

道の駅 どなり

道の駅 どなり

近くに日帰り湯は無いようなので、今日の風呂は諦めるしかないようです。疲れてもいるので今日は早々に寝場所に行って休む事にしました。予定していた道の駅「どなり」へは数分で到着です。
店も閉めてしまったようで、店の外でダンゴを売っている店だけが開いていました。何か栄養のある物を食べなくては!とこのダンゴ屋さんで、団子3本を買い求め、これが今夜の夕食になりました。何か体の調子が狂ってしまっているようで、昼から喉がカラカラで水不足なのか?食欲もありません。

足が攣った!

ズボンを履き替えようとしたら、突然左腿が痙攣を起こしました。攣るなんて簡単なものでなく、激痛です。これが収まったかと思えばまた再発。これは、下手したら救急車?なんて不安もよぎりましたが、スポエネ飲料を一気に呑んだら何とか収まってきました。どうやら、長時間の運転による疲労と水不足が原因だったようです。先ほどのダンゴ屋のおねえさんに温水シャワーが使える事を教えて貰ったので、これで流して少しはスッキリしました。
車中泊の時は夜、少々のアルコールを嗜むのが楽しみなのですが、先ほどの痙攣の事もあったので、コンビニで買って支度はしてあったアルコールも今夜は控え、早々に寝る事にしました。自分が思っていた以上に体は疲れ切っていたようです。
8日間で愛媛の松山まで回る予定ですが、初日からこんな事で無事に松山まで辿り着けるのか?

寺の記憶がとんでしまった!

正直、同じ事を繰り返すと何処がどうだったか、なんて記憶は殆ど残っていないのです。
お寺自体もそれ程特徴のある訳でもないので尚更です。

四国八十八箇所霊場は、讃岐(香川県)に生まれた空海(弘法大師:774年~835年)が修行を行った地として伝えられる寺々の事なのですが、四国遍路には、一寺一寺のお寺にあまり意味はなく、弘法大師の歩んだ?その道中を、同じように最後の88ヶ所目まで辿る、という事に意味があるように思います。

傘にも笈摺にも「同行二人」の文字が書かれています。一人は自分で、もう一人は空海なのだといいます。信仰心の薄い自分にはそんな実感はありませんが、空海と二人連れで四国を遍路するのが「四国八十八ヶ所遍路」の本来の姿なのでしょう。

四国遍路は一度廻るとまたすぐに出掛けたくなるという中毒性があるようで、大日寺であった年配の方の納経帳には150回ぶんの法印で真っ赤っ赤。こんな人が何人も居るらしく、朱肉の重みでかなりの重量になっているようです。

 

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