四国遍路7日目 48番 西林寺 〜 53番圓明寺

四国遍路の最終日スタート

伊予灘SA

4月10日に始まった四国遍路も7日目となり今日は4月16日。
朝は松山道のSAで目覚めです。
今日も天気は良いようで、結局四国で雨に降られることは無しで済みそうです。
明日早朝には松山を離れるので、今日が四国最後の一日になります。
松山道を次の伊予ICで降りて、一般道をそのまま48番 西林寺に向かいます。

48番 西林寺

西林寺山門

朝の混雑する時間帯でしたが、それ程の混雑も無く予定以上に早く到着してしまい、かなり待たなくてはならないようです。
いつものように参詣だけは済ませて納経所の開くのを待ちます。駐車場で自分より少し若い御夫婦と会い話をしたところ、この旦那さんは最近の定年まで、観光バスの運転手をしていたそうで、これまでに四国霊場や西国霊場巡りは何千回もして来たとの事でした。しかし、仕事では廻ったものの、個人的に廻ったことは無かったので、定年を期に奥さんと車での四国遍路を始めたのだそうです。
この方からいろいろな情報を仕入れて、おかげで助かりました。そして、今回最後の寺ではこの方に大感謝の出来事が待ち受けていました。

参詣は済まし、納経所が拓くのを待ちます
鐘楼
サツキが満開。静岡よりはかなり早い。

この話は最後に回すことにして、まずは48番西林寺の御朱印を頂きます。
定刻少し前に納経所の窓口が開いて、48個目の御朱印を頂きました。

49番 浄土寺

浄土寺の山門
浄土寺本堂
愛染堂(左)と阿弥陀堂(右)

西林寺から浄土寺へは3Km程の距離しかありませんから、10分ほどで到着しました。昨日入った「たかのこの湯」のすぐ近くのようです。
駐車場でまた、さっきの御夫婦に再会。四国遍路は同じ順路で進み、参拝時間も同じようなものですから、こうした事が度々あります。
駐車場は幾つかあるようですが、まだ時間も早いので参詣者も少なく、山門前の駐車場まで進むことが出来ました。
四国遍路の駐車場は、これまでは無料の所が多かったのですが、やはり松山まで来ると土地の高い都会という事もあり、有料の駐車場が出てきました。
先ほどの西林寺の山号が清滝山なのに、この浄土寺の山号が西林山とはこれ如何に?

49個目の御朱印を頂き、繁田寺へ

浄土寺には空也上人が3年ほど滞在した事があり、本堂には空也上人がこの時に自ら刻んだ空也上人像があるらしいのですが、これは非公開という事でした。

50番 繁田寺

 

山門
本堂まで広い境内が続く

ようやくキリの良い50番まで来ました。思えば先週の徳島から随分沢山の寺を参詣してきたものです。これまでも、またこれからもこんなに短期間に寺を巡る事は無いでしょう。
沢山の寺は廻って来たものの、似たような所ばかりで、記憶に留まらないのは残念な事です。西国観音霊場の33札所は一番から33番まで正確に思い出せるというのに、これも歳のせいなのでしょうか。

大師堂
歓喜天堂
本堂

繁田寺の境内は広く、その広い境内の先に本堂が見えています。ここもまた特徴の無い寺で、覚えているのは駐車場と、その横にあった山門くらいのもの。
最初の頃は納札を納めて、般若心経の読経も無しで来たのですが、途中からは家から持参した般若心経の写経を納経し、般若心経の読経もしてきました。
一度般若心経を唱えだしたら、これをやらないと何か、参詣した気持ちになれなくなってしまいました。でも未だに頭に入りきっておらず、経本がないと読経も出来ません。
88ヶ所回り終える頃には暗記しているのかもしれませんが.....

道後温泉

道後温泉本館

 

工事もほぼ完了しているようだ。

道後温泉がすぐ近くのようなので、交通整理をしていた若いお兄さんに道を聞いて道後に向かいました。駐車場の位置も効いていたはずなのに、これを通り過ぎてしまい、元に戻るのに狭い道路に入り込んでしまって一苦労です。ようやく高台にある駐車場に車を駐めて、まずは道後では有名な「道後温泉本館」で一風呂浴びる事にしました。
道後温泉には二十歳前に一度来たことがあるはずなのに、全く当時の記憶は残っていません。ただ、今ほど賑やかでは無かったのはたしか。
生憎、道後温泉本館は工事中でしたが、風呂は一つだけは入る事が出来るようです。タオルも持って来ませんでしたから、ここで記念に絵入りのタオルを買い、さっそく風呂へ!

記念に買ってみたタオル。道後温泉を発見したと伝わる白鷺も描かれている。

でも、どんな風呂かと思ったら、何の事は無い小さな風呂で、チョットがっかりです。
工事中でなかったら、もっと立派な風呂にも入ることが出来たのかもしれません。
残念!
朝もまだ10時前ですから、小原庄助さんではあるまいし、そうそうノンビリ風呂に浸かっているわけにもいきません。今日はあと残りの3寺を廻ったら、松山城にもいく予定なので、カラスの行水なみの時間で出ました。
近くには道後温泉駅もあり、そこにはあの「坊ちゃん列車」も展示されていました。見ていきたい所ですが、先の事を考え、車から見るだけで良しとしました。

51番 石手寺

国宝に指定されている山門

来た道を少し戻ると51番の石手寺に到着です。距離にしたら500mあるかどうかくらいの近くでした。
ここの境内は広いです。でも石段が無いのが有り難い。
短かな仲見世通りを過ぎると立派な山門があります。これは四国八十八ヶ所の中でも珍しく、国宝に指定されている貴重な建物のようです。そういえば、これまで国宝指定された建物はありませんでした。
立派な石手寺なのですが、現住職に変わってから、近隣の評判あまり良くないようです

仲見世通り入り口
仲見世通り。左右に店が並ぶが、閑散としている。

道後温泉からも歩いてこれる距離なので、お遍路さんではない一般観光客も多く、結構賑わっていました。

53番 圓明寺

境内は広くて本道も立派なもの。

最後は順番を変えて、先に53番に行きました。というのも52番の太山寺は明日乗る呉行きのフェリー乗り場の近くなので、下見をしておこうと思い、順番を変えてみました。
このあと、この順番を変えた事によるラッキーな出来事もあり、これも御大師様の御利益だったのか?
石手寺から圓明寺までは少し距離があります。とはいっても10Km程度なのですが、交通量の多い道路を行かなければならず、30分以上の時間を費やし、ようやく駐車場に到着しました。ここでまたまた、朝会ったあの元バスの運転手さん夫婦に会いました。
車を駐めたのもすぐ横に駐めたのが、この後の幸運にもなりました。
本堂の鴨居に彫られた龍は左甚五郎の作といい、行いの悪い人が見ると龍の目が光ると言われています。自分の場合は見なかったので、行いが良いのか、悪いのか?

52番 太山寺

今回の遍路旅、最後の札所。

駐車場にまだ居た元運転手さんに太山寺までの道を聞いて、最後の別れをしました。
聞いたとおりに行くと、僅かな時間で太山寺に到着です。ここで、バックの中に入れておいた車のスペアキーが無いことに気がつきました。
万が一の事も考え、スペアのキーを持って来ていたのですが、今になって無くなっても今すぐに困ることもありません。でも、無くしてしまったのなら帰ってから作らなくてはなりません。何処かにないかと探しましたが、見つからず諦めて参道を進み始めました。

良い事があった後は疲れも忘れて体も軽い。
ここの山門も立派です。

そこへ来たのが先ほどの元バスの運転手さん。
私が去ったあと、そこに落ちていたキーを見つけてくれたようで、わざわざ太山寺まで戻って届けに来てくれたようです。
順番を逆にしていなかったら、何処にいるかは分からなかったでしょうから、ナントいう偶然か!
それに隣に車を駐めたのも運が良かったようです。これも御大師様の御利益かも。
重々お礼をいって別れました。
こちらは良い事のあった後でしたので、石段も軽々と登り、今回の遍路最後の御朱印を頂き、遍路旅は打ち止めです。

境内の側からみた山門
どっしりした形の整った本堂。

松山観光港

太山寺から港に向かいます。
松山から出る船の発着は松山港、高浜港、松山観光港 の三ヶ所あり、呉経由広島行きのフェリーはこのうちの一番北にある松山観光港の発着になるようです。
フェリーの予約は既にとってあったので、予約の確認と、事務所の横の駐車スペースに今夜駐めさせて貰う交渉がここに来た目的でした。
気持ちよく、車中泊駐車の了解を貰い、これで明日朝までの居場所は確保できました。
さて、午後は松山観光です。といっても行く事の出来るのは松山城くらいのものでしょう。

松山城

 

松山城へ登るロープウェイ。平行してリフトもあります。

昼になるので、何処かで何か食べようと思いましたが、それ程食欲が有るわけでもないのでまたコンビニ弁当になってしまいました。
松山市内に入り、何とか駐車場に車を入れて、さっそく松山城に登城です。
歩いても行けるのでしょうが、やはりロープウェイに乗るのが楽。
松山城に上がると、松山市内の絶景が拝め、西方向をみると瀬戸内海が春霞のなかに見えています。この時期、まだ少し桜も残っていて、花吹雪の舞う松山城でした。

石垣が綺麗です。
天守
二の門南櫓

松山城のある勝山山頂へのアクセスは登ってくる時に乗ったロープウェイの他にその横にあるリフトも使え、乗車チケットはどちらも共通となっていました。
暑いので、下りは風に当たりながらリフトで降りてきました。

天守からの松山市内
天守からの伊予灘

周りには他にも行って見たいところが何カ所かありましたが、この1週間の疲れも溜まってきており、明日の清水までの帰りの事も考えると、観光より風呂でノンビリしたい思いの方が強かったようです。

道後さや温泉ゆらら

何時ものアプリで日帰り湯を探したら、「道後さや温泉ゆらら」という風呂が見つかりました。名前に道後が入っていますが、道後に有るわけで無く、松山市内からは全く逆方向でした。場所も夕方になって港に行くには丁度いい所にあります。

四国で初めてのラーメン

明日は我が家の風呂になるので、今回の旅行最後になる風呂です。少し郊外にある日帰り湯で少し西には松山空港があるようです。
ここからならフェリー乗り場に行くにも、松山の中心街を通らずに行けるので、道路の混雑も無さそうです。
今日の昼飯はまだ松山城に上がる前に食べたコンビニ弁当のみです。入浴後に何か食べようと思ったら、ここでの食事は5:00にならないと開かないようです。時間を見ればまだ3時。何もすることもないので、寝て待つことにしました。
こんな事なら、道後温泉でもう少しゆっくりしてくればよかった、という後悔も....
松山市内から路面電車で再度道後に行く方法も今になってみれば思いつきます。
次回の遍路旅では、もし時間があれば松山からのスタートにしてみたいと思いますが、そんな元気があるのかどうか?

松山観光港

夕暮れの瀬戸内海

食事も摂れたので、港に行ってみたところ、まだ事務所が開いていたので暗くなるまで港の先の海岸でノンビリすることにしました。防波堤から静かな夕景の伊予灘を見ながら時間潰しです。

先週の四国到着から丁度一週間。この間に四国を四分の三周し、その間に53ヶ所の札所を廻ってきました。四国全体の四国遍路経済効果はどれほどになるのでしょう。
元を辿れば空海が修行した、あるいは何らかの縁のあるお寺を88ヶ所揃えたに過ぎません。しかし、それだけの事なのに1000年以上経った今でも、昔と同じ道を辿って大勢の人が遍路を続けている姿を見ると、空海の不思議な力の大きさに驚きます。
過去百年、二百年を見ても、その当時の一人の人間が今の時代に空海ほど大きな影響を与えているような人物は見あたりません。
今の時代に生きて、もし空海総理でも生まれたらどんな日本にしてくれるのか?そんな夢みたいな事も想像してしまいます。
辺りも暗くなって来たので、昼、許可を得ていたフェリーの事務所横の空き地に車を駐め、四国最後の夜、早々と寝る準備です。
明朝早くには四国を離れ、広島県です!

松山観光港

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