四国遍路6日目 39番 延光寺 〜47番 八坂寺

 

高知から愛媛へ

四国八十八ヶ所には県ごとに名前が付いていて、 徳島県は発心の道場
発心は仏教用語で「悟りを求める心を起こすこと」とあります。
高知県は修行の道場
太平洋の海岸線をいく道程は札所と札所の距離が長く、まさに修行と呼べるのかもしれません。
愛媛県は菩提の道場
菩提とは煩悩を断ち切り、悟りの境地に達すること。発心、修行を経てたどり着いた地は八十八ヶ所の折り返しにあたります。
そして香川県は涅槃の道場
遍路で最後に訪れるのは弘法大師が生まれた香川県。長い道のりを超えてたどりついた先には煩悩から解脱した高い精神境地を表す涅槃の道場がひろがります。

となっているのですが、88番に辿り着けば自分にも高い精神境地を表す涅槃の道場が広がるのでしょうか。
先に進むに従い、煩悩から解放されるようですが、自分の遍路旅ではとてもそんな境地に達する事は無さそうです。というか、煩悩のない人生は何ともつまらなそうです。

明後日の早朝には広島県の呉港へのフェリーで四国を離れるので、それまでに松山周辺までは廻っておきたいところです。
そこまではクリヤーしておかないと、次回のスタートが厄介なことになってしまいます。
道の駅「すくも」でゴミは棄てて、出勤してきた昨日のおねえさんに挨拶して、まずは、高知県でまだ一ヶ所だけ残っている39番延光寺に向かいます。

39番 延光寺

延光寺山門

延光寺へは昨日の道を10Kmほど戻る事になります。朝のラッシュ時でも、それほどの混雑もなく20分ほどで到着しました。納経所が開くにはまだ時間があります。それまでの時間、他にすることもないので、いつものように今日一日分の納札へ書くべき事を記入して時間を潰します。一ヶ所2枚ですから、20枚も書いておけば今日の分は足りるでしょう。
そんなことしているうちに納経所の開く時間です。本堂と大師堂でいつものようにお参りして39ヶ所目の御朱印を頂きました。

愛媛県に入る

今まで四国の地図をしっかり見たこと無かったのですが、よく見ると愛媛県は海沿いに随分南のほうまで伸びていて、狭いと思っていた愛媛県が思っていた以上に広い事に初めて気がつきました。そして高知県の大きさにも驚きです。

40番 観自在寺

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延光寺から愛媛県最初の札所、観自在寺までは30Kmほど。左手に綺麗な入江を見ながら北に向かいます。この海の向こう側は大分県ですから、思えば随分遠くに来たものです。
40分ほどで観自在寺に到着です。
一番札所の霊山寺からは一番距離が離れている「四国の裏関所」と呼ばれる観自在寺です。

41番 龍光寺

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観自在寺から龍光寺までは少し離れているので、1時間ほど掛かってようやく龍光寺到着です。
住宅に囲まれた細い一本道が真っ直ぐに山門まで続いています。境内に入ったら、団体のお遍路さん一行で、先達さんがいろいろ説明をしていました。
自分の読経は般若心経を一度唱えるだけですが、こうした人達の経は何種類もあるようで、随分長い間お経を唱えていました。団体さんの御朱印は引率の人が纏めて預かっているので、参詣中に御朱印は出来上がっています。納経所へ行くと、個人のものを優先して書いてくれるので、団体さんと鉢合わせしてもそれ程待たされることもありません。あれだけの数を書き上げるまで待つのでは一ヶ所でどれほど時間が掛かってしまうのかと考えると、納経所のこうした配慮は有り難い事です。
不思議なもので、境内の堂宇など記憶にはないのですが、GoogleマップのStreetビューで駐車場から境内までの参道を見ると記憶が蘇ってきます。建物より参道の方が記憶には残りやすいのかもしれません。参道の景色は札所毎に違いますが、境内の様子は皆同じような物。なかなか記憶には留まり難いもののようです。

42番 仏木寺

仏木寺山門
本堂と大師堂

龍光寺から仏木寺までは数分で到着。道路脇に立派な山門が建っています。
四国八十八ヶ所では珍しい茅葺き屋根の鐘楼があり、これは元禄時代に再検されたと伝わります。
龍光寺で一緒になった団体さんが来る前に参詣を済ませ、早々に退散した方が良さそうです。

43番 明石寺

モミジの参道
山門も風格があります
本堂

いよいよ記憶も曖昧になって来ました。改めて写真を見直して、どのような所だったのか?と記憶を取り戻しながらの道中記になって来ました。
しかし、この明石寺の記憶は残っていました。と、言うのも、一番札所の霊山寺で買い求めた線香がなくなりかけていたので、駐車場横にあったお遍路グッズを扱っている店で追加で線香を買った、というたったそれだけの事なのですが、他の札所とは違う僅かな事があっただけで記憶に留まって呉れるようです。

人の生き方も同じなのでしょう。毎日何も考えずにボーッとしていたら記憶に残るわけもありません。毎日が記憶に残るような一日一日を送って過ごしたいものです。
駐車場から、幅の広い綺麗な石段が境内まで続いています。傾斜が緩い事が有り難いです.石段の周りは新緑のモミジですから、秋には綺麗に色付いて華やかな参道になるのでしょう。

44番 大寶寺

大寶寺山門。迫力ある山門で、大ワラジが目を引きます

明石寺から次の大寶寺かなりの距離があり、約94Km 時間も2時間以上掛かってしまうようです。地図上ではそれ程離れているようには見えないのですが、四国は想像していた以上に広いです。
結局、途中でコンビニ弁当食べたりしたため予定以上に時間がかかってしまい、2時間半掛けてようやく大寶寺駐車場に到着しました。
バスで来た団体さんと一緒になりました。山門までは坂をづっと上がっていかなくてはならないので、久々の長い坂道が脚に堪えました。それにしても団体さんは自分より高齢な方達のようですがこの人達にやっとついて行く、というくらいに皆さん元気です。
やはり四国遍路は体力が一番。これなくして結願はありえません。

山門からの最後の石段

大木で鬱蒼とした参道をあがり、迫力ある仁王門に辿り着きました。ワラジが掛かっている仁王門はよく見かけますが、ここのワラジの大きさは半端ない大きさです。信者から寄贈されたものといいます。
山門を潜ると上の方に本堂が見えてきましたが、ここまでの登りでかなりガタが来た脚には堪えます。
四国霊場八十八ヶ所のちょうど半分に当たり「中札所」といわれます。
四国山地に囲まれた標高579mに位置し、境内は老樹が林立し、幽寂な空気が漂よいます。
と言いたいところなのですが、団体さんが賑やかで幽寂な空気とはほど遠い境内でした。

45番 岩屋寺

境内までは800mの山登りです
石仏群

44番大寶寺からは11Km。15分ほどで到着しました。まだ2時半前ですからこのペースで行けば松山市内には余裕で行けそうです。しかし、今日の風呂も寝場所もまだ何も検討していません。
まずは岩屋寺、浄瑠璃寺、八坂寺の3ヶ所を廻ってから松山市内に入ります。
岩屋寺には下の駐車場から800m程の山登りをしなければ辿り着けないようで、八十八ヶ所の中でも、難所と言われる札所となっています。20分から30分も歩けば境内に着くようですが、先ほどの大寶寺の上り下りからまだそれ程時間も経っていませんから、またまたの山登りにはいささかメゲます。
でも、自分より歳上の女性がスタスタと登っていくのを見ると、そうそうグチっている訳にもいきません。
所々にある地図を見てもそうそう簡単には辿り着けないようです。
本堂までには石段だけでも220段あるといいますから、やはり難所の一つなのでしょう。

岩壁に埋まり込んだ本堂
岩山は簡単に削れてしまいそうな岩盤

汗まみれになって、やっと本堂前に到着です。寺号の通り、岩山の岩壁をバックにしたまさに岩屋です。これは坂東巡礼で行った大谷寺にも似た雰囲気です。
45個目の御朱印を頂き駐車場のトイレに急ぎます。登り始めた時に、トイレが故障していて使えない、との張り紙がありました。でも登り始めてから、それはないだろ!
急ぎ足で下山し、スッキリして次の浄瑠璃寺に向かいます。浄瑠璃寺まではここから34Km。1時間近く掛かってしまいそうです。大寶寺に向かう為に走ってきた久万高原の道路を戻り、いよいよ松山市内に入りました。

46番 浄瑠璃寺

やっと到着した浄瑠璃寺でしたが、これが何も特徴の無い寺で、写真一枚取ってありませんでした。

47番 八坂寺

八重桜も咲いて綺麗な境内です
参詣舎を向かえる空海
ボタンが満開でした

八坂寺は浄瑠璃寺のすぐ近くにありました。
ナビの設定が細道回避にしてあるからなのか、寺の裏に広がる広大な霊園を迂回して到着です。
それにしても広い霊園です。一体何基の墓石が立っているのか。
この道中記を書いている時点で既に1ヶ月が過ぎています。ところどころ途中の景色の記憶は残っていても、境内に入ってからの映像はほぼ消えかかっています。
そうした中でも何か特徴のあるところは何とか記憶に留まっています。ただ、7日間で53ヶ所ともなると、一つ一つの記憶はどうしても薄れがちです。
これで今日の遍路は打ち止めにして、今日の風呂に行きます。松山市内の「たかのこの湯」。変わった名前で、どういう事かと思ったら、この辺りの地名「鷹の子」から来ているようです。道後温泉の数キロ南に位置しているくらいですから、当然お湯は天然温泉のようです。何とも分かり難い道を進んでようやく見つけました。

たかのこの湯

駐車場はかなり広いです。入浴用の袋に着替えなどを入れてさっそく入館。
四国に来て 1日目 道の駅「どなり」温水シャワー    泊:道の駅「どなり」
2日目 徳島市内の「八万温泉」 泊:徳島市内「眉山山頂展望台駐車場」
3日目 室戸の「シレスト室戸」泊:室戸岬「室戸スカイライン展望台駐車場」
4日目 高知市内の旅館泊:車中泊より酷い旅館だった
5日目 四万十市の「四万十いやしの湯」泊:宿毛 道の駅「すくも」
6日目 松山市内 「たかのこの湯」泊:「松山自動車道伊予灘サービスエリア」

毎日、風呂に入って、食事しながら、その日の宿泊場所を探すことになります。10年前に較べれば道の駅の数はかなり増えているし、そこでの車中泊も珍しいものでは無くなってきているので、宿泊場所探しも随分と楽になりました。

松山自動車道 伊予灘SA

伊予灘サービスエリア
サービスエリア内の「恋人の聖地」モニュメント。向こうに伊予灘が見えています。

松山の近くには風呂はあるものの、道の駅は無いようです。しかたないので、一度松山自動車道の下り線にのり、すぐの所にある「伊予灘サービスエリア」での車中泊にしました。ここなら、明朝最初に行く、48番
正林寺までも都合が良さそうです。本土のサービスエリアやパーキングエリアは車中泊の車やトラックでほぼ満車になるのに、四国では空いていてガラガラ状態です。
途中のコンビニで仕入れてきた日本酒1合で今日も一人慰労反省会。10年前なら、パソコンへ写真を取り込んだり、メール送ったり、夜もやることが多く忙しかったのですが、この歳になるとそんな事をする気力がありません。
ただ呑んで寝るだけです。
明日は6ヶ所廻るだけなので、松山の観光も少しは出来そうです。

 

四国遍路 5日目 33番 雪蹊寺 〜 38番 金剛福寺

 

四国はまだ雨知らずだ!

昨夜は何のために宿に泊まったのか分からないような一晩でした。
朝早く出ることは昨日フロントで伝えてあったので、6時に宿を出ました。
今日も天気はいいようです。

今日も天気は良いようで、暖かな一日になりそうです

高知城

駐車場からは高知城が近いようなので、桂浜に行く前に寄っていく事にしました。5分ほど走ると高知城の下まで来ましたが、駐車場の入り口を探しているうちに高知城の周りを一周してしまいました。
ようやく見つけた24時間営業の駐車場に車を駐めて、2、3分歩いて高知城の下に到着です。 “四国遍路 5日目 33番 雪蹊寺 〜 38番 金剛福寺” の続きを読む

四国遍路 4日目 25番津照寺〜32番 禅師峰寺

四国遍路も4日目だ!

室戸岬周辺マップ

四国に来て4日目になります。
朝の目覚めは室戸岬の高台にある展望台駐車場でした。
昨夜は車中泊は私一人のようでしたが、今朝になったら他にも2台停まっていました。この2台の車は早々に出発していきました。
駐車場から少し登れば展望台まで行けるようなので登ってみました。室戸岬は南に細長く伸びた岬ですから、その先端の高台からの景色は東も西も海岸線が北向かってにずっと見えています。思っていた以上に高いところにいるようで、標高は250m程になっています。

室戸岬東海岸線

4日目ともなると、身体も気持ちもようやく車中泊の旅に慣れてきたのか、緊張感も解けて気持ちにも余裕が生まれ遍路旅も少しのんびり出来るようになってきたようです。
車内を整理して、4日目のスタートです。
室戸スカイラインを戻らずにこのまま先に進むと、次の札所である津照寺の近くに降りるようです。ならば同じ道を何回も通るよりこちらの道を降りた方が良さそうです。国道に出て、コンビニで朝食を調達して地図を見ていたら、津照寺は昨日夕飯で寄った花月のすぐ近くのようでした。

25番 津照寺 来てみれば昨日の花月のすぐ近くだった

一見、神社の雰囲気です

4日目、最初の目的地は「25番津勝寺(しんしょうじ)」。室戸岬からはそれ程距離もないので10分程度で到着出来そうです。
しかし、寺に近づいたら住宅街の狭い道に入り込んで迷子状態。歩いていた地元の人に聞いてようやく辿り着けました。津勝寺も高いところにあり、今日もまた朝一番は石段登りから始まりました。その石段も凄い急坂で、壁のようにそそりたって見えます。

朝イチから急な石段登り
上から坂を見下ろすと凄い急坂です
鐘楼門の上から

石段の途中にに変わった造りの鐘楼門がありました。朱色で下の通路部分はアーチになっているので、一見中華風の門に見えてしまいます。
登ってこの上から坂を見下ろすと急な石段がなお一層急にみえました。
津照寺の写真は石段と山門しか無かったくらいですから、山門以外にはよほど特徴ある物がが無かったのでしょう。
いつも通りに折りの参詣をして、25番津照寺も無事御朱印を頂き、26番金剛頂寺に向かいます。

26番 金剛頂寺

山門

津照寺は海の側にありましたが、そこから国道55号線を西に進み途中からは山の中に入っていきます。山道は広いとは言えませんが、これまでのような狭い道とは違いますから、対向車が来たら、といった心配はありません。
広い駐車場に出てここからはまた石段の登りになります。
70m程の石段を登っていくと仁王門があり、中には傷みも無く綺麗な仁王像が睨みを効かせています。境内には鯨の霊を供養する碑もあるようで、いかにもかつて捕鯨で栄えた地の名残を感じさせます。少し横には室戸岬や太平洋を一望できる展望台があったようですが、残念ながらその案内には気がつきませんでした。
26個目の御朱印を頂き、下山します。

傷みのない綺麗な仁王像です(吽形像)
こちらは吽形像
境内の記憶は完全に飛んでいます

昨日、友人から連絡があり、出来たら奈半利の港にある「カゴオドック」に寄って写真送って欲しいとの事。
何故?と思ったけど、まぁ時間はどうにでもなるので、次の目的地は奈半利のカゴオドックにナビをセットしました。
彼は船の関係の仕事をしていましたから、以前、出張かなにかで来たのでしょう。若い時の思い出の地?
奈半利までは25Km程、30分チョットで行けそうです。
無事カゴオドックに着きましたが、どうって事ない風景です。何枚か写真を撮って送ってやりました。

カゴオドック

27番 神峯寺

迫力ある山門

奈半利港から神峯寺までは約10Km 30分もかからずに到着出来そうです。
この札所も標高450mとかなり高い所にあるようで、そこまでの道程が不安になります。いよいよ登り始めると道は急カーブの連続ですが、道幅は対向車があっても少しバックすれば何とかなりそうな感じです。かなり登ったと思った頃、いきなり駐車場に到着です。車も結構駐まっていますから、この人達が下る頃と時間が合わなくて助かりました。

烏枢沙摩明王像
カラフルな不動明王

駐車場からもまだ坂道を登っていきます。この坂道が半端な傾斜ではなく、凄い急傾斜なのです。ようやく山門を潜ると平らな境内に入りました。

しかし、その先にはまたまた石段が! それもかなり急な、長い石段です。
階段の斜面を綺麗に刈り込まれたサツキが埋め尽くしていました。まだ時期も早く花は咲いていませんでしたがこのサツキが咲いた時には境内はさぞかし綺麗になることでしょう。

正面にはまたまた石段が!
サツキが咲いたら石段登りも少しは楽に感じるかも?
本堂ではなく大師堂
満開のミツバツツジ

本堂へ参詣し、さて大師堂は?何処?
この札所は本堂と大師堂が離れていて、またまた移動です。大師堂への参詣も済み、さて納経所は?どうやらずっと下って駐車場近くにあるようでした。
神峯寺では上へ横へ下へと随分移動させられ、27番がようやく完了です。

手結港 可動橋

時間ギリギリで間にあいました

高知の手前の香南市の手結港にはちょっと変わった動きをする橋があるので、これは見てみたいと思い、事前に少し調べておきました。
橋が上がって船を通す形式の可動橋は全国に幾つかありますが、ここの可動橋はその開き方(上がり方)がチョット変わっています。
普通の可動橋は支点が両岸2ヶ所にあって、左右に開くのに対し、ここの可動橋の支点は片方にしかないのです。
次に動くのは11:00。この時間に上がっている橋が降りてきて12時までの1時間は下がったままになってしまいます。
神峯寺の駐車場で既に10時10分を過ぎています。カーナビによれば可動橋までの所要時間は約1時間になっています。
間に合うかどうかギリギリのようですが、結局、到着は11:01 になり、橋は既に下がり始めていました。
しかし、約10分掛けて下がりきるので、まだかなり高い所にありました。
動きは非常にゆっくりですから、殆ど止まっているように見えますが、よく見ると確かにゆっくりと下がってきています。

動画は倍速再生です。

しかし、よくもギリギリのタイミングで間に合ったものです。これも早速の御大師様の御利益かも?
さて、四国遍路に復帰です。

28番 大日寺

モミジに囲まれた山門
境内は静かでした。人が居ない!
納経所まえの庭園

この可動橋から次の28番大日寺までは約10Km、時間にして17分です。
そろそろ昼飯時なので、途中のコンビニで買ってきたカツサンドで昼飯です。
腹も膨れた所で、28番大日寺参詣。
山門は堂々とした作りで門を覆っている新緑の紅葉といい雰囲気です。山門までは写真を見て思い出せましたが、ここから先は本堂の写真を見ても記憶が......
取りあえずは28番大日寺の参詣を済ませ28個目の御朱印を頂きました。

29番 国分寺

山門はどこも立派です

大日寺から国分寺までもやはりそれ程離れてはおらず10分程度で駐車場到着です。広い駐車場です。少し歩いて仁王門前にいくと、これもまた立派な仁王門です。
門のずっと奥には柿(こけら)葺きの金堂が見えます。この金堂は国の重文にも指定されている貴重な建物となっていました。

重文指定の金堂
こちらの境内も静かです
本堂

この一帯は「土佐日記」の作者、紀貫之が国司として4年間滞在した場所としても知られ、大日寺の北東には紀貫之が赴任した屋敷跡も残されています。これは帰ってきてから知った事で、是非とも見てみたかったです!
納経所前の庭園に咲くボタンが見事な満開で、これを目当てに来ている人達も多いようでした。

満開のボタン
こちらは妖しい雰囲気のボタン

 

30番 善楽寺

次の善楽寺でいよいよ高知市。国分寺からは15分もあれば到着出来そうです。
平地にある寺なので、ここばかりは石段を登ることも無しで済みそうです。やたらと広い境内でどこからが境内なのかもハッキリしません。そんなわけで、参詣者にとっては楽な札所になります。それだけに特徴も無く、写真さえ撮ってありませんでした。
ようやく、キリのいい30番まで来ました。
今日中に高知市内を32番まで廻ろうと思います。

31番 竹林寺

竹林寺本堂

善楽寺から竹林寺までは9Km、所要時間は20分となっていました。しかしこの竹林寺までの道は家にいる時にもナビでシミュレーションしてみたのですが、何か途中でおかしくなってしまい、未だに無事に辿り着いたことはありませんでした。
実際の走行でも、何やら訳の分からない所を無駄に走らされているような感じで、何の為にこんなにグルグルと走らされるのが訳がわかりません。
随分遠回りをさせられたような気もしますが、それでも何とか駐車場らしきところに到着しました。ところが、ほぼ満車状態で、交通整理のお兄さんに竹林寺への行き方を聞いたら、空いている所に駐めて、少し歩けば竹林寺の西門にいく道があるから、との事でした。駐車して少し先まで歩くと教えて貰った、竹林寺西門へ下る坂道がありました。
下ると竹林寺の境内へと続く道がありました。

立派な五重塔
納経所まで降りていく途中にあった山門

五重塔もあり、今日は土曜日ということもあり、かなりの人出です。いつものように本堂と大師堂で勤めを果たし、さて納経所は?と、探してみましたが見あたりません。境内の地図を見つけて納経所の場所を確認したところ、正門の方にあるようで仁王門の外に出た所にあるようです。
という事は石段を下り、また上がってこなくてはならない事になります。
今日は石段を登った回数も結構多かったので、脚もいささか疲れ気味です。
正面から入ればこんな苦労も無かったのでしょうが、今改めて地図を見て正門の位置を確認しようと思っても未だにここにどうやっていけば良かったのか分かりません。

暑い!!

下まで降りて御朱印も頂き、再び本堂前に戻って、駐車場に戻ります。駐車場もさっきほどは混雑しておらず、どうやら一番悪い時間帯に来てしまったようでした。
ここには昨年NHKの朝の連ドラで放送された、高知が生んだ植物学者の「牧野富太郎博士」に因んだ植物園があるらしく、先ほどの混雑も竹林寺に来た人より、植物園目当ての人達だったようです。これも朝の連ドラの影響なのでしょうか。
さて、車に戻り、今日最後の「32番 禅師峰寺」に向かいます。

32番 禅師峰寺

山門の先にあった岩山

高知市内に入ってからは殆どの札所間の距離は似たようなもので、今回もナビでは7.2Km 19分となっています。
竹林寺の建つ五台山を下って東に走り、石土池まで来れば禅師峰寺はもうすぐ。
駐車場からはまた坂道を登ります。今日はこんなのばかりです。
山門前まで登ると、その先にはまたまた石段が!

人も居ない静かな境内です
ずっと西に明日行く予定の桂浜が見えています

大した数の石段ではありませんが、いったい今日は朝から何段の石段を登ったことでしょう。それ程大きなお寺でもないようですが、初代土佐藩主であった山内一豊も参勤交代で江戸に向かう際には必ずこの寺に参拝し、旅の安全を祈願したと伝わります。境内から西を見ると、明日一番に行く予定の桂浜も見えていました。
これで今日の遍路は打ち止めとします。

これで今日の参詣は全てクリヤーです

宿へ

昨夜、高知市内の、はりやま橋近くの宿をネット予約しておいたので、そちらに向かうことにします。
宿の駐車場は使えないようなので、akippaで駐車場も予約しておこました。
高知駅の近くなので道路も混雑しているのかもしれません。ナビによれば30分ほどで駐車場所には到着出来るようです。
ここまで走ってきた時間を考えるととても30分ほどで着けるとは思えなかったのですが、予定通りの時間で駐車場には到着しました。
宿までは5分ほど歩かなければなりません。必要な物だけバックに入れて宿に向かいました。ところがこの予約していた宿がなかなか見つからないのです。地元の人に聞いても首を傾げるばかり。
さて、困ったぞ。
落ち着いて地図で追い掛けてみました。確かにこの辺りなのですが......
歩いているうちにようやく見つかりました。しかし、予想していたイメージとはえらい違います。
でも、布団の上で寝れるのですから.....
チェックインして、フロントのおねえさんにはりやま橋への道を教えて貰いさっそく出掛けてみました。せっかく高知に来て何も見ないでお寺参りばかりでは勿体ないですから、せめて「はりやま橋」くらいは見ていこうと思ったわけです。

はりやま橋

やっと辿り着いた「はりやま橋」

宿からは近く10分ほど歩けば行けそうです。最後は地元の人に聞いてやっと見る事が出来ましたが、確かに聞かないと分かりそうもありませんでした。
はりやま橋以外でみたいものも無かったので、夜食とアルコールを仕入れて宿に戻りました。ゆっくり休む為に宿を確保したのですから、今夜は早く寝た方が良さそうです。
ところが、
部屋の遮音が全くダメで、隣にいる若い人達の話し声が同じ部屋の中にいるかように聞こえる始末。それも朝まで話が続いたのですから、こちらもゆっくり眠るなんて事も出来ませんでした。風呂もボディーソープさえ無く、エアコンは働かず、置かれていた扇風機は壊れて動かず。悪い所をあげればキリが無いくらいに見つかりそうでした。
昨日までの車中泊の方が落ち着いてゆっくり休めたのかもしれません。
僅かばかりの後悔.....
土曜日の宿泊を前日の夜取ろうとしたのが間違いだったようですが、やはりその時点でも空き部屋があるようではやはり何かの理由があったようです。早く予約をすればもっと良い宿が見つかったのでしょうが、いつ、何処にいるなんて全くわからないのが今回の旅なので仕方ありません。
おまけにこの宿の宿泊料が素泊まりでも結構な金額。自分の感覚ではその半額でも高いくらいに感じました。
しかし、これも忘れられない旅の思い出になりそうです。
コンビニのオムライスと日本酒で今日一日の締めとなりました。