北国街道ゴール! 1日目(関山宿ー二本木宿)

ゴールまであと1回というところまで来て、その後のコロナ騒ぎの中でゴールを果たさずにこれまで来てしまっていた「北国街道てくてく旅」でした。
コロナの終息など待っていたらそのうちにこちらが終息してしまいそうです。
そこで思い切って最終ゴールの高田宿を目指して歩くことにしました。
行程は二泊三日になってしまうので、経費もかなり掛かってしまう事は覚悟していましたが、丁度コロナ騒ぎの中で沈滞した経済を立て直す為に国による「GoToトラベル」が行われている最中です。
ならばこれを利用して行けば少しは経費の節減になりそうです。

という事で、いつものようにネットで宿を予約しました。2日間連泊で朝夕食付き、4人分が57,600円。この金額の35%の20,160円が割引かれて37,440円に。
これに加えて15%の9,000円が「GoToトラベル地域共通クーポン」として使えるようになり、これは食事や土産物代として使えるようですが、使い方がイマイチよく分かかりません。
国の大盤振る舞いのおかげでかなり安く行けそうです。

1日目(「田切・二俣」ー「関山」ー「松崎・二本木」

2020年11月4日、朝3時半に清水を出発。高速道路のお陰で6時50分には二日間お世話になる「ホテルルートイン妙高新井」に到着しました。
今回も一秀翁より俳句を頂いていますので、掲載しておきます。

有明の月煌々と 旅の門  一秀

予定していた電車より1時間近く早い電車に乗ることが出来、前回のゴール地点、今回のスタート地点となる「妙高高原駅」に到着。

妙高はねうまライン
1年ぶりの妙高高原駅
駅前から見える山々は雪景色

電車を降りて、駅から見える妙高山は雪で白くなっています。しかし気温は思っていたほど下がってはおらず、また100%覚悟していた雨、それも予報では雷を伴なう雨にも遭うこともなく、結局雨には殆ど遭わずにすんでしまいました。

昨年は10月末でまだ何も色づいていなかった周りの景色も、今回は紅葉の真っ只中で、時期的にも今が一番キレイな時期のようです。晴れていれば雪をバックの紅葉になりさぞかし綺麗な景色を拝めた事でしょう。しかし、雨に合わずに済んだことだけで十分です。

7:45、今日のゴールになる二本木駅を目指して、妙高高原駅をスタート。本当は前回、北国街道から駅に向かうためにコースを外れた地点を今回のスタート地点とすべきなのでしょうが、そこまで几帳面になる事もないでしょう。駅からそのまま北に向かい、1Km程進んだところで北国街道に復帰しました。

今回は日本海に向けてずっと下り。高いところなので紅葉が綺麗。
白田切川
紅葉の 妙高雪の朝かな  一秀

前にも話しましたが、この北国街道のかつての宿場名が現在の地名と結びつかないのです。ましてよそ者の自分たちには全く分かりません。そんな訳で、宿場ごとの説明は省かせて貰い、一日の全体の流れを書き留めるくらいしか出来そうもないです。

綺麗に色付いている

街道を進み国道18号線に出てこれを突っ切り反対側の街道に入ると周りはいい色に紅葉していました。今回の街道歩きは520mほどの標高地点から日本海に向かってずっと下っていくので、スタート地点が一番高い所になります。
丁度、今はこの辺りの標高が紅葉のピークを迎えているようです。

街道沿いで幾つもみた「筆塚」
色付いてきた大木

雪国独特の家格好

道路側に雪が落ちないように考えられた家形
一階部分はガレージで2階に玄関の付いた家が多い

この後も国道に出たり、出たと思えば反対側の街道に入ったりが続きます。
この辺りの家の形は独特のものです。
殆どの家は3階建てで、道路側の屋根の傾斜はほぼ垂直に近く壁にも見える屋根、そして反対側の屋根は傾斜が緩くなっていて、これは雪を道路に落とさないよう配慮したデザインなのだと思われます。雪落としは裏側の傾斜の緩い屋根で行うのでしょう。
1階部分は雪に埋もれるのが前提で、玄関は2階部分に作られていました。

消雪池(タネと言うらしい)

家の周りには雪を落とすスペースが作られていて、中にはしっかりしたプールになっているところもあります。この消雪池を地元ではタネというらしく、この池から雪が溶けた水を流すための水路も作られていました。
雪国では暖地では考えられないような、いろいろな物が必要となるようで、冬越しは大変そうです。

長ーーい消火栓

ホースの接続口が3段になっている消火栓。

ところどころに設置されている消火栓は高さ2m以上にもなるような長い消火栓で、ホースを繋げるための口も上下3箇所につけられています。これも積雪で雪の下に埋もれてしまっても上の口が使えるようにしてある、雪国ならではの構造です。
暖地に住む自分たちには意味不明と思える物が他にも幾つか見受けられましたが、これらは雪と関連付けて考えるとその疑問も解けました。

流雪溝

道路横の側溝を音を立てて大量の水が流れています。標高の高い山をバックに控えているので水は豊富な土地ではありますが、これもただ水を流しているというのではなく、豊富な水と傾斜のある地形を利用して除雪した雪を流す流雪溝として働く水路のようです。
地元の人に聞いた所、この辺りは日本有数の豪雪地帯で1.5m〜2.5m程の積雪になると言っていました。
冬は本当に大変そうです。また過去には3.7mという積雪の記録が残っているようです。
今は紅葉で綺麗なこの辺りももう少し経てば、モノクロの世界に姿を変えてしまうのでしょう。

道路の融雪装置

 

道路中央に設置された融雪パイプ

さっきから道路の中央には2、30センチ幅の帯が延々と続いています。 その帯の中に円形の金属板が点々と埋め込まれており、この金属板には小さな穴が4つ開いてます。何かと思ったら、これは道路の雪を溶かすための融雪装置で、途中の町ではそろそろ出番となるこの設備のテストを行っていました。これが細い道まで延々と設置されている事には驚きます。全体では一体幾つのノズルが設置されているのだろう。それに相当の水量が必要と思われますが、水源はどうなっているのでしょう?

時間が早すぎて店が開いて居ない中、苦労して見つけた一軒

今日のスタート時間が早くなったのは良かったのですが、早すぎて昼食を予定していた食事処が開いていないのは誤算でした。それでもようやく1軒見つけ、何とか昼飯にありつくことができました。
勿論、ビール付きだったのは言うまでもありません。

上越に演習音の轟きて
拉致問題の未解痛まし  一秀

スイッチバックの二本木駅

残りは6Km程度しかありませんから、ゆっくり行かないとホテルのチェックイン時間前にゴールしてしまいそうです。そうかといって、街道の近くには見ていくべきような物も無さそう。
出来るだけゆっくり歩いて進んだつもりでしたが、、時間は潰しきれず、ゴールの二本木駅に到着です。次の新井まで進む事も考えられますが、この先数キロ進む元気は残っていませんでした。
二本木駅の場所を聞いたところ、その親父さんが言うには「この先に踏切があってそれをすぎれば左側に見える」との事。
はて、?踏切を越えたのなら駅は右側になる筈。何故に左側なのだ?
駅に到着してようやくこの謎が解けました。

青線が北国街道、赤線がえちごトキめき鉄道
二本木駅舎の中に展示されていたスイッチバックのジオラマ模型

この二本木駅はスイッチバックの路線上にあったのです。二本木駅に入ってきた列車は上りも下りも入ってきたのと同じ方向へ出ていきます。駅舎内にはこのスイッチバックのジオラマもあって納得。それに駅前には「スイッチバックの町」と書かれた幟まで立っていました。

長尾氏の菩提寺 林泉寺

それ程待つこともなく直江津行きの列車が入ってきました。一駅北の新井駅まで行き、今朝駅まで歩いて来た道をホテルに向かいます。チェックインまではまだ1時間近く待たなくてはならないようです。

せっかく行ったのに、コロナ感染対策の為に閉門されていた林泉寺
曹洞宗の寺の山門によくある「不許葷酒入山門」と刻まれた石塔
林泉寺は春日山の麓にある長尾氏の菩提寺

車の中で寝ていようかとも思いましたが、せっかく越後まで来ているのに寝ている事も無いだろうと、上杉家の菩提寺でもある林泉寺に行ってみました。林泉寺は長尾氏(後の上杉氏)の居城のある春日山の麓にある曹洞宗の寺院ですが、後に上杉氏が米沢に移封されたのにともなって林泉寺も米沢へと移されたというのが通説となっているようです。
せっかく訪れた林泉寺だったのに、残念ながらコロナの感染防止のため、参詣も御朱印も駄目でした。

あれ、靴の中敷きが入っていない!!

二日間お世話になる「ルートイン妙高新井」

このまま戻れば、ホテルにチェックイン出来る時間になりそうです。
そのままチェックインして夕食の時間まで休むことにしました。

実は、昼ごろから足にマメが出来て痛かったのです。今朝、家を出かける時、靴紐が緩んだいるようで随分緩く感じたのですが、ホテルで靴を脱いてみたらナント中敷きが入っていない!
靴磨きした時に中敷きを外して、そのまま履いてきてしまったようです。緩い靴の中で足が勝手に動きすぎてマメが出来てしまったようです。
これは残り二日間苦労させられそうだ!

 

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