信州旅行

紅葉の信州を行く

年一度、娘、カミさんと家族旅行に出かけますが、今回は信州になりました。そろそろ紅葉のシーズンに入るはずで、高いところは綺麗な紅葉を見る事も期待出来そうです。

七色大カエデ

まずは以前から一度見てみたいと思っていた池田町大峰高原の「七色大カエデ」まで上がってみました。
これは安曇野の池田町にある七色に色が着くと言うカエデです。時期的には少し早かったようで、数日後くらいがベストの時期になりそうでした。
紅葉が進んでいくと、最後は全体が真っ赤になり、そこまでいくと普通のカエデと変わりありません。
周りは綺麗に整備されていて、駐車場横の広場では地元の人たちが観光客相手に色々な地場産品を販売していました。
主に飲食物なのですが、この値段設定がかなり安いのです。

このカエデ一本でシーズン中に何人のお客さんを呼べるのでしょう。でも、紅葉を楽しめるのは長くて10日程度でしょうから、地場産品で稼げる期間は私たち他所者が想像する以上に短かいのかも知れません。

賑わい創生は、探そうと思えば幾らでも見つかるのだという良い事例なのでしょう。

そば処 「翁」

4年前、塩の道を歩いた時に寄った池田町の、全国に知られる蕎麦処「翁」で昼食にしました。日曜だから混んでいるのは覚悟していましたが、2組待ちですぐに入る事が出来たのは意外でした。

ここのメニューには蕎麦しかありませんから、選択肢はありません。麺の太い「田舎蕎麦」を頼みました。

翁からみる北アルプス

程なくザルに乗った田舎蕎麦が出てきました。
確かに麺が太いです。ただでさえ腰のある麺がますます腰が強くなり”硬い”と感じるほどでした。
好みもあるのでしょうが、自分としては山梨の長坂にある翁の方が合っています。
とは言っても麺の違いは分からず、蕎麦つゆの出汁の違い位なのですが......

この翁は高台にあるので、下界に安曇野の綺麗な景色が広がり、その向こうには北アルプスの山の稜線が続いています。
ここから見える北アルプスの山々のその殆どはこれまでに登った事のある山でした。

姨捨の棚田

腹ごしらえ出来たところで次の目的地、姥捨に向かいます。
先ほど降りた安曇野インターまで戻って長野道を姥捨ICまで行けば早いでしょうが、時間はあるのでこれから先、走ることなどなさそうな一般道を行ってみました。

姨捨は姥捨山伝説で知られています。JR篠ノ井線の姨捨駅には姨捨の由来となった昔話が記されていました

昔、信濃の国に年寄りの大嫌いな殿様がいた。
彼は、70歳になった老人は山へ捨ててくるよう国中におふれを出した。ある月明かりの夜、一人の若者が年老いた母を背負って山に登って行った。彼の母親は70歳になったので山に捨てなければならなかった。
しかしいざ山に登り、捨てるという時に、どうしても捨てることが出来ず、そのまま母を背負って山を下り、こっそり床下に穴を掘って母をかくまっていたのである。
さて、そのころ、殿様のもとへ、隣国から使者がやって来て「灰で縄をなえ、九曲の玉に糸を通せ、さもないと国を攻める。」という難題をもちかけてきたのである。
困った殿様は、おふれを出し、この難題を解ける知恵者を探し求めた。これを知った若者が、床下の母に尋ねると、母は塩水にひたしたワラでなった縄を焼けばよいこと、玉の一方に蜜をぬり、その反対側から糸をゆわえたアリを通せばいいと教えてくれた。
若者は、さっそく殿様に申し出て、この方法を知らせたのであった。すんでのところで国難を救われた殿様はたいそう喜び、若者にほうびをとらせようとした。
「なんなりと申すがよい。ほうびは望むままに進ぜよう。」「ほうびはいりません。ただ、老いた母を助けてください。実は、この知恵を授けてくれたのは、70歳になった私の母です。」若者は、涙ながらに母親のことを打ち明けたのである。 国難を救ったのが老婆の知恵であると知った殿様は、いたく感銘し、この時はじめて老人を大切にすべきことを悟ったのだった。
むろん姨捨のおふれはほどなく廃止されたということである。

 

深沢 七郎著、楢山節考はここ姥捨をモチーフに描かれたと聞いています。しかし、今見る姥捨一帯は長閑でノンビリした風景が広がっていました。

姥捨の棚田

姨捨の棚田米

姨捨へ今行っても刈り取りの終わった棚田があるだけです。でも目的は棚田を見る事より、食の方

半月程前、近所の方から山梨県の「武川米」の新米を頂きました
甲州道中を歩いた時この武川を通過しました。その時に、武川の米は美味いらしい、なんて話をした事を覚えていてくれたようです。
食べてみると美味い!
生産量もさほど多く無いので一般流通に乗る事もないようで、せいぜい道の駅で売られている程度とか。

姨捨米

これに味をしめ、棚田で作られた「姨捨米」を買うと言うのが姨捨に来た一番の目的なのです。でも、残念な事に、まだ新米は無く、昨年産の物しかありませんでした。
たまにはこんな土産も良いだろうと、周りへの土産もこの米にしました。

帰ってきて、袋を見ると気になる事が。

袋に精米した日付が記入されているのですが、それが7月になっています。それに、美味しく食べるには精米してから1ヶ月程で、とも書かれています。7月ならばもう3ヶ月経っています。

安い米ではないし、棚田でとれた美味しい米を売り物にしているのですから、こうした事にも気を遣って欲しいところです。

そんなに売れるものでは無いのでしょうか?
帰ってから食べるのが楽しみですが、精米してから時間が経っているので、その心配もあります。

棚田の撮影

棚田の撮影ポイントを教えてもらい上の方へ行ってみました。どうやら篠ノ井線の姨捨駅周辺が一番のポイントのようです。

最上部からの棚田は絶景!と言いたいところですが、やはり写真に収めようとすると難しいです。姨捨の棚田は傾斜がゆるく棚田にしては一枚一枚の田んぼの面積が広い為、一度に沢山の棚田が見えません。田の枚数は2000枚程有ると言いますから、見えない所にまだかなりの数の小さな田が隠れているようです。

姥捨の棚田一枚一枚に映る「月」は「田每の月」と呼ばれ、平安の時代から歌に詠まれてきました。しかし、田圃の一枚一枚に月が映るという事はありえません。

現在ではこの月に加えて、棚田の後ろに広がる善光寺平の夜景とのコラボも写真愛好家には広く知られています。

一度、撮りに行ってみたいとは思いますが、何と言っても遠いです。

竜王マウンテンパーク

娘のリクエストで奥志賀にある竜王マウンテンパークまで上がってみました。山頂の「SORA terrace」 からは、旨くいけば雲海に浮かぶ斑尾山や妙高山を見る事が出来るそうです。

今日の天気では雲海はあまり期待出来そうもありませんが、まずは上までロープウェイで登ってみました。

世界最大クラス、166人乗りのゴンドラ
残念ながら雲海は無しでした


このロープウェイのゴンドラは世界最大級の大きさを誇る、ナント166人乗り。これで一気に標高1,770mmまで上がります。

雲海は出ておらず、下界が見えていました。それに午後のこの時間では全体に霞がかかったようになり期待した景色は拝めませんでした。

しかし、観光客の数は凄いです。テラスで景色を見ながら食事が出来るという「SORA terrace cafe」 は行列が出来る程の人気のようですが、食事無しでもテラスまで入る事は出来るのですから、わざわざ行列に並んでまでそこで飲食する事も無いでしょうに....。

湯田中温泉「萬屋」

毎回、家族旅行では宿泊費だけは娘が持ってくれます。まぁ、有り難い事です。

最近は出掛けてもビジネスホテルばかりだったので本格的な温泉旅館は久しぶりです。 今回の宿は湯田中温泉の「萬屋」さん。この宿は創業200年を越える老舗で、この宿の名物は、太い梁や柱が歴史を感じさせる伽藍建築の桃山風呂(登録有形文化財)です。

桃山風呂
庭園風呂

露天風呂は日本庭園風の庭園風呂になっており、四季それぞれの風景が楽しめるようになっています。

食事も自分の歳では丁度良い質と量。
ナント、完食しました。

和洋折衷の天井
辛口 利き酒セット
リンゴを食べて育った牛肉

翌朝、隣の家の屋根を見ると2匹の猿が日向ぼっこ中でした。旅館も窓を開けておいたりすると猿が侵入して荒らされる事もあるようでした。

野猿公苑

十何年か前に行った事がありましたが、自分以は見た事無いので、翌日の最初に行ってみました。湯田中の宿からは近いです。

地獄谷温泉

地獄谷温泉まで行くと、まだ朝早いというのに、かなりの観光客が居ました。中でも外人さんが多いようです。ここはオーストラリアから訪れる観光客が多いと聞いています。

猿を見る為には入場料が必要となりますが、前回来た時より値上がりして800円になっていました。
維持管理にはかなり経費も掛かるのでしょう。

猿の数は前に来た時より多くなっているようですが、露天風呂に入る猿は居ませんでした。どうやらまだ気温が高いので、もう少し冷えてこないと温泉で暖まろうとする猿は居ないようです。
残念!

それにしても猿の数が凄いです。すぐ近くまで来て怖いのですが、人間に悪さする猿は居ません。

この山全体ではいったい何匹の猿がいるのでしょうか。
山に餌の無くなるこれからの時期が集まってくる猿の数も一番多くなるとの事でした。猿も冬期はここで出される餌に頼らなければ生きていくのは困難なようですが、餌の心配が無い環境の元でその数も増えているいるようです。

戸隠・鏡池

戸隠の鏡池が紅葉の見頃を迎えているようなので、ナビに鏡池をセット。
上信越自動車道に入り、長野市の方面に向かうのかと思っていたら、そうではなく北方向、上越側へ指示しています。言うとおりに走っていたらとうとう野尻湖まで来てしまいました。どうやら戸隠へはこちら(北側)から向かった方が早いようです。

宿から1時間チョットで鏡池には到着しましたが、回りは大変な事になっていました。
駐車場のスペースはそんなに広くないので、駐められない車が狭い路上に駐めてしまっていて、前にも後ろにも行けない状態。
中には路上でケンカを始めるお馬鹿さんもいてどうしようもない状態です。

このままでいたらいつまで経ってもこの状態から抜け出る事は出来そうもありません。
そのうちに、このままでは仕事にならないタクシーの運ちゃんが誘導し始め、ようやく先に進む事が出来ました。
少し離れた所で見つけた道路横の空き地に無事駐車出来ました。

鏡池に映る本院岳

ここから5分ほど歩いて鏡池に向かいますが、その間にもこの先の状態を知らない車が次から次へと猪突猛進状態。

しかし、ここは何処で管理しているのか知りませんが、案内も無しで各自個人任せというのも酷い話です。

やっと見る事の出来た鏡池は苦労した甲斐もあり、絶景です

湖岸は綺麗に紅葉し、そのバックには戸隠山、本院岳、西岳の壁がそそり立ち、見事な景色です。ここへこれだけの観光客が集まる事にも納得出来ました。

でも、道路を広げる事はしなくても、車の流れを管理する何かが必要でしょう。

戸隠蕎麦

戸隠に来たのだからと、昨日に続き今日の昼食も蕎麦になりました。戸隠には沢山の蕎麦屋さんがあり、さて何処へ入ろうか?と迷います。でも、昼の時間は何処も混雑していて、結局空いている店になります。

蕎麦は好きで出掛けた時の昼食は蕎麦になる事が多いのですが、未だに蕎麦の味、香りってどうもイマイチ分かりません。

よく旅番組で蕎麦の香りがどうのこうの言っていますが、悔しい事にどうも分からないのです。近所に凄い蕎麦と打つ人が居ますが、彼でさえ、よく分からないと言っていましたから、自分が鈍感と言う訳でも無さそうです。
で、この店の蕎麦は?
可も無く不可も無く、標準的な手打ち蕎麦でしたが、蕎麦つゆは自分の好みの出汁でした。

白馬岩岳

戸隠から鬼無里を経由して白馬に向かいます。ウンザリするくらい曲がった道の連続する山の中を走り峠を越えて白馬に出ました。

トンネルを抜けた途端に目の前に白馬三山が!

白馬三山から続く唐松岳、五竜岳が目の前に迫ってきます。ここで、二十歳頃スキーで何回か来て以来の岩岳に上がる事にしました。ここも塩の道を歩いた時岩岳の麓を通過していますが、山に登るのは四十数年ぶりの事です。
現在では岩岳もスキーだけでなく、マウンテンバイクのコースが整備され、雪の無い間はそちらで賑わっているようです。

ゴンドラに乗り、岩岳山頂に出ると、目の前に白馬三山の絶景が広がっていました。
白馬岳へ登ったのは何年前になるのでしょう。調べてみたら2002年になっていましたから、もう16年も前の事。
あの頃は元気でした。

今秋、標高1,289mの山頂に、北アルプスの絶景が一望できる山頂テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」が誕生し、そのテラスからは白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)を正面に、そこから南北に広がる北アルプスの絶景が目の前に広がっていました。

白馬三山

また、周囲の紅葉も丁度いいタイミングだったようです。

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